2007年08月26日

●Kissing A Fool / Michael Bublé

8/23グリーク・シアターでのコンサートへ行って来ました。LAでは当初22、23日の二日公演だったんですが、余りの売行きに急遽21日の公演が追加となりました。黒のスーツ、黒いネクタイ、白のシャツ。プレスしたのかしないのか分からないズボン。寝起きかと思わせる髪の毛。少し太った以外は何時も通りという感じで衣装代は殆ど掛かってないようです。彼の歌は我々の世代が安心して聞ける良い曲が揃っており、コンサート会場の平均年齢も予想通りかなり高めでした。しかし、ステージに駆け寄り、中にはステージによじ登って警備員に制止されるおば様等々皆さん本当にお元気でした。歌はやはり旨くクサくてオーバーな動き、ジョークと相まって大うけでした。彼を平成のシナトラという人も居ますが、彼にはシナトラのチョイワル感(大ワル感?)が無く、どちらかと言えばカワイイ、やんちゃ坊主という感じがします。この曲はジョージ・マイケルがソロ活動を始めたときに作曲し自分でも録音していますが、歌、アレンジともマイケル・ブーブレの方が数段上で彼の歌の中でも一二を争う名演です。

Kissing a fool

You are far/君は遠く
When I could have been your star/僕が君のスターになれたかもしれない時に
You listened to people who scared you to death and from my heart/君は君を死ぬほど恐がらせて僕の心から遠ざけようとする人に耳を傾けてしまった
Strange that you were strong enough to even make a start/奇妙な事に君は自分でスタートを切れるほど強かったんだね
But you'll never find peace of mind till you listen to your heart/でも君が自分の心の声に耳を傾けるまで、心の安らぎは得られないんだ

People you can never change the way they feel/君には彼らの感じ方を変えることはできない
Better let them do just what they will/彼らの好きにさせておけばいい
For they will if you let them steal your heart from you/と言うのはもし君がスキを見せれば、彼らは君の心を奪ってしまうからさ

People will always make a lover feel a fool/人々はいつも恋人を愚か者扱いする
But you knew I loved you/でも君は僕が君を愛しているのをしってた筈だ
We could have shown them all/僕たちを彼らに全てをみせてやればよかった
We should have seen love through/僕らは愛を貫く事ができた筈だ

Fooled me with the tears in your eyes/君は涙で僕を騙し
Covered me with kisses and lies/キスと嘘で僕をかためてしまった
So bye/だからさようなら
But please don't take my heart/でも僕の心を持っていかないでおくれ

You are far/君は遠く
I'm never gonna be your star/僕は君のスターにはなれはしない
I'll pick up the pieces/小さなかけらを集めて
to mend my heart/自分の心を繕う
Strange that I was wrong enough to think you'd love me too/おかしな事に僕は君が僕を愛してると信じていたなんて
You must have been kissing a fool/君はきっと愚か者にキスしていた
I said you must have been kissing a fool/僕は君はきっと愚か者にキスしていただけだと思う

But remember this/だけどこれだけは覚えておいて
Every other kiss that you'll ever give/君がこれから誰かとキスするたびに
Long as we both live when you need the hand of another man one you really can surrender with/僕らが生きてる限り、君が誰か君の何もかもが委ねられる人の助けが必要になったら
I will wait for you like I always do/僕は今まで通り君を待っている
There's something there that can't compare with any other/他のどんなものにも比べようも無い何かがここにあるんだ

You are far/君は遠く
When I could have been your star/僕が君のスターになれたかもしれない時に
You listened to people who scared you to death and from my heart/君は君を死ぬほど恐がらせて僕の心から遠ざけようとする人に耳を傾けてしまった
Strange that I was wrong enough to think you'd love me too/おかしな事に僕は君が僕を愛してると信じていたなんて
You must have been kissing a fool/君はきっと愚か者にキスしていたんだ
You must have been kissing a fool/君はきっと愚か者にキスしていたんだ


彼女をそそのかす奴が居て、彼女の嘘に騙され、結局彼女は遠くへ去っていってしまった。"We could have shown them all. We should have seen love through"と後悔しつつ"I was wrong enough to think you'd love me"「僕は君が僕を愛していると思うに十分な程間違っていた」と感じて"You must have been kissing a fool"君は愚か者とキスしていたんだと自虐的になって諦めかけています。だがしかし"But remember this"やっぱり俺は待っている、という思い切れない心情が良く出ています。この詩にあわせたバックのアレンジも秀逸です。

2007年08月21日

●渚の歓喜(エクスタシー)/應蘭芳

應蘭芳と書いてオウ・ランファンと読めない人も多くなったと思いますが、れっきとした日本人です。マグマ大使や11PM、初代プレイガールなんかで有名な元祖「失神女優」。彼女のデビュー作がこの曲でイントロは藤山一郎的昭和歌謡かと思わせながら、歌声とのミスマッチにまず顔がほころびる事請け合いです。應蘭芳というと姉御のイメージが強いですが、この曲に関してはかわい子風のハスキーボイスで特に二番の「星はおしゃべり心配なの はじめての はじめての 甘い逢引 云いふらすわ」なんてところはさすがに昭和の作詞家佐伯孝夫ならではの名文句です。これでも発売当時は放送禁止になったそうですが、歌詞だけみればそれほど過激という程のことはありません。トホホ度とお笑い度のどちらを高得点にするか、迷うところですが、やはり全般を通して軽く半笑いできるところを買ってお笑い度に軍配を上げました。

トホホ度★★★☆
お笑い度★★★★
意味不明度★★


  
  おやすみと おやすみと 月が沈んだ渚の夜
  ふくらんで ふくらんで 赤く花咲くわたしの恋
  早く来て 来てよと 涙ためてまってるの
  島かげへ 島かげへ 人に知られずあなたは来る
  オリオンの オリオンの 星が見下ろす恥ずかしいの

  やさしいが やさしいが 星はおしゃべり心配なの
  はじめての はじめての 甘い逢引云いふらすわ
  逢えたのね 二人で 好きで好きでふるえるわ
  おりて来る おりて来る 熱いくちびる この口へと
  あなたでも あなたでも とてもわたしは恥ずかしいの

  目を閉じて 目を閉じて うける口づけ夢ではない
  身を投げて 身を投げて 深く溺れて死にそうなの
  おとなしく あなたの ままになってるうれしさよ
  好き好きと 好き好きと 叫びたいけど堪えてるの
  寄せ返す 寄せ返す 波がきいてる恥かしいの

2007年08月07日

●Watch What Happens / Laura Fygi

映画「シェルブールの雨傘」の中の一曲で作曲はミッシエル・ルグランです。唄っているのはローラ・フィジィで作曲者自身がアレンジしストリングスの指揮を執っています。ミッシエル・ルグランはクラシック、ジャズ、映画と多彩な活躍をしていますが、その多才さ故か一旦アレンジするとなると持てるワザを全て見せないと気が済まないようで、豪華絢爛、濃厚な味わいになります。一方A&M、CTIで活躍したクラウス・オガーマンは「ほったらかし」と云われるほど手を出さず、ミッシエル・ルグランとは非常に対照的です。この曲では歌がローラ・フィジィという事もあり、彼女独特のレイジーな感じを活かすため、かなりテンポを落としてじっくり煮込んだという感じですが、もう少し早いテンポで軽快感を出しても良かったかなと思われます。

Watch What Happens

Let someone start believing in you/誰かにあなたを信頼させて、
let her hold out her hand/彼女の手を広げさせて、
Let her touch you and watch what happens/あなたに触れさせたら、何が起こるか良く御覧なさい

One someone who can look in your eyes/あなたの瞳を覗いた誰かさんは
and see into your heart/あなたの心の中を見て
Let her find you and watch what happens/彼女にあなたを分からせてあげたら、何が起こるか良く御覧なさい

Cold, no I won't believe your heart is cold/冷たいって?いいえ、あなたの心が冷たいなんて私は信じない
Maybe just afraid to be broken again/多分また傷つくのをおそれているだけ

Let someone with a deep love to give/深い愛情を捧げる事の出来る誰かに
Give that deep love to you/その深い愛をあなたに捧げさせるのよ
and what magic you'll see/そしたらあなたはどんな魔法を見るかしら

Let someone give her heart, someone who cares like me/誰かに愛してもらうのよ、私みたいに優しいだれかに

ローラ・フィジィは原詩の"he"を全て"she"に変えて唄っています。例えば2行目の"let her hold out her hand"は本来は"let him hold out his hand"です。だから"you"は男性で"you"に"me"であるローラ・フィジィが語りかけています。7行目で突然驚いたように"Cold"と云っていますが彼女に自分を理解させ、触れさせるように仕向けるのは冷たいんじゃない?という疑問にそうは思わない、ただ単にちょっと恐がってるだけ、と答えています。そして最後に"Let someone give her heart, someone who cares like me."この中で"care"は気をつけるとか世話するとかいう意味ですが恋愛物ではLoveとほぼ同義語です。結局"you"は"me"から「今の私のようにあなたを愛せる誰かと恋愛しなさい」と云われて体よくふられてしまいました。

2007年08月01日

●パイのパイのパイ/森山加代子

この曲は南北戦争時代に歌われた「ジョージア進軍行進曲」(Marching through Georgia)を演歌師添田唖然坊の息子である添田さつき(知道)が日本語詩を付け「東京節」として当時の世相を歌ったもので戦前はエノケンの歌で、かなりヒットしたようです。このように由緒正しい曲なんですが、森山加代子バージョンは「じんじろげ」程ではありませんが、彼女得意の意味不明曲に仕上がっています。編曲は中村八大でバックの演奏は立派なもんです。今聞くと少しテンポが遅いような感じがしますが、これくらいが当時の正調だったんでしょう。末尾に「東京節」の歌詞を載せておきます。

トホホ度★★★
お笑い度★★★
意味不明度★★★★★


  お山で 育った山猿が
  東京の空にあこがれて
  出て来たまでは 良いけれど
  電車に自動車 オートバイ
  ラッシュアワーの人の波
  これじゃ本当に目が廻る

  ラメチャンタラ ギッチョンチョンデ
  パイノパイノパイ パリコト バナナデ
  フライ フライ フライ

  かぼちゃが 八百屋の店先で
  テレビを見ながらいいました
  もしもメロンに 生まれたら
  あたしもスターになれたのに
  それを思うと悲しくて
  知らず知らずに泣けるのよ

  ラーメン 餃子に 肉饅頭
  おしると あんみつ ところてん
  クリームソーダに レモネード
  コーヒー 紅茶に アップルパイ
  みんな貰ってよろこんで
  食べるところで目がさめた


 【東京節】添田さつき(知道)作詞


  東京の中枢は丸の内 日比谷公園 両議院
  いきな構えの帝劇に いかめし館は警視庁
  諸官省ズラリ馬場先門 海上ビルディング 東京駅
  ポッポと出る汽車 どこへ行く
  ラメチャンタラ ギッチョンチョンで パイノパイノパイ
  パリコトパナナで フライフライフライ

  東京で繁華な浅草は 雷門 仲見世 浅草寺
  鳩ボッポ豆売るお婆さん 活動 十二階 花屋敷
  すし おこし 牛 天ぷら なんだとこん畜生で お巡りさん
  スリに乞食に カッパライ
  ラメチャンタラ ギッチョンチョンで パイノパイノパイ
  パリコトパナナで フライフライフライ

  稼いでも稼いでも喰えないに 物価はだんだん高くなる
  物価は高いのに子はできる できた子供が栄養不良
  いやにしなびて青白く あごがつんでて目がくぼみ
  だんだん細くやせてゆく
  日本米は高いから パイノパイノパイ
  南京米や朝鮮米で ヒョロリヒョロリヒョロリ

  東京で自慢はなんですね 三百万人うようよと
  米も作らずに暮らすこと タジれた市長を仰ぐこと
  それにみんなが感心に 市長のいうことをよく聞いて
  豆粕食うこと 痩せること
  シチョウサンタラケチンボで パイノパイノパイ
  洋服も ツメエリで フルイフルイフルイ

  東京の名物満員電車 いつまで待っても乗れやしねえ
  乗るにゃ喧嘩腰いのちがけ ヤットコサとスイタのが来やがっても
  ダメダメと手を振って 又々止めずに行きやがる
  なんだ故障車か ボロ電車め
  シチョウサンタラケチンボで パイノパイノパイ
  洋服も ツメエリで フルイフルイフルイ

  東京にも裏には裏がある 鳥も通わぬ島というが
  おてんとさまも影見せぬ 暗くて臭くて穴のよな
  犬の小屋かと思ったら どういたしまして人間が
  住んでおります 生きてます
  衛生論も 体面論も パイノパイノパイ
  パリコトパナナで フライフライフライ