2007年09月24日

●The Lady Wants To Know / Michael Franks

マイケル・フランクスの傑作アルバム"Sleeping Gypsy"の1曲です。マイケル・フランクスはアントニオ・カルロスジョビンのような軽みを目指しており、単にこれまでのボサノバの真似でなく、単に癒し系でもない、独特の歌声を聞かせてくれます。アントニオ・カルロスジョビンを讃えた"Antonio's Song"もこのアルバムに入っています。バックも豪華で、ジョーサンプル(p)、ラリー・カールトン(g)、マイケル・ブレッカー(ts)、ウィルトン・フェルダー(b)等が参加しています。冒頭のラリー・カールトン、中盤のマイケル・ブレッカーのソロは何度聞いても素晴らしい味だしてます。しかもアレンジがクラウス・オガーマンで彼独特の落ち着いたボサノバ風に仕上がっています。マイケル・ブレッカーは最近のジャズシーンを引っ張ってきたリーダ的存在でしたが、今年3月、57歳の若さでお亡くなりになりました。尚この曲には「淑女の想い」という邦題が付いています。

The Lady Wants To Know

Daddy plays the ashtray/パパが灰皿で遊んでると
Baby starts to cry/赤ん坊が泣き始める
The lady wants to know the reasons why/彼女はなぜだか知りたくなる
Daddy's just like Coltrane/パパはコルトレーンで
Baby's just like Miles/赤ん坊はマイルスみたい
The lady's just like heaven when she smiles/彼女が微笑むとき、まるで天国みたい

And the lady wants to know/彼女は知りたくなる
She wants to know the reasons/その訳を知りたくなる
Got to know the reasons why/知らなきゃならないの
This man has got to go/この人は行く
This man is always leavin' /この人はいつもいなくなる
How he hates to say goodbye/彼はさよならを云うのがとっても嫌い
But what she doesn't know there really is no reason/でも彼女は本当に理由なんかないって事が分からない
There really is no reason why/本当に理由なんてないんだ

Daddy he hates airplanes/パパは飛行機がきらい。
Baby loves to fly/赤ん坊は飛ぶのが好き
The lady wants to know the reason why/彼女はその訳を知りたくなる

なぜパパがジョン・コルトレーンで赤ん坊がマイルス・ディビスなのかははっきり分かりません。マイルスはジャズ界の帝王と言われていましたから、我が家では赤ん坊が帝王なのかもしれません。歌の始めは"Daddy"と呼んでいたのに途中で"This man"に変わっています。この人はいつもいなくなる、訳もなくいなくなる、でも男ってこんなもんなのよね、という軽い諦観を表しているように感じましたが如何でしょう?ネットで見ると"This man is always leavin' How he hates to say goodbye"を「いつでも何も言わず、ぷいと出て行ってしまう」という訳がありました。

2007年09月17日

●四時半ブルース/一節太郎

「四時半ブルース」というタイトルだけ見ると、朝まで飲んで喚いて男と女がどうしたこうした、というストーリーを思い浮かべてしまいますが、さにあらず。四時半起床!顔をジャブジャブ洗い、今日も出来立て弁当もって、男盛りのとうちゃんが、明るく現場に仕事に行く、という非常に建設的な歌なんです。だがしかし、親の心子知らず、倅は大学でゲバ棒振り回してます。作詞は星野哲郎ですが、3番が良いですねえ。「月にロケット エンエンヤホー 飛んだからとて かわりゃせぬ」確かに!その通り!他の土方の歌と比べてみると例えば、岡林信康の「山谷ブルース」のように暗くなく、丸山明宏の「ヨイトマケの唄」ほど悲壮でなく、あくまでも元気よく仕事しています。

トホホ度★★★☆
お笑い度★★★☆
意味不明度★★

  朝だ四時半だ エンエンヤホー
  起きてジャブジャブ 顔洗うて
  できたばかりの 弁当さげて
  家を出てゆく この姿
  エンヤホー エンヤホー
  たのもしぞいな 男ざかりだね
  うちじゃかあちゃん エンエンヤホー
  そこで倅も エンエンヤホーと
  ゲバ棒ふりふり 大学へ

  倅良く聞け エンエンヤホー
  親に孝行 してくれと
  野暮な意見を する気はないが
  可愛いお前が あればこそ
  エンヤホー エンヤホー
  他人に頭もよ 下げにゃならぬぞよ
  わしの代わりに エンエンヤホー
  たまには世間を エンエンヤホーと
  びっくりさすよな ことをやれ

  月にロケット エンエンヤホー
  飛んだからとて かわりゃせぬ
  朝は朝星 夕べは夜星
  力一杯働いて エンヤホー エンヤホー
  疲れなおしによ ちょいと一杯よ
  酔えば自慢の エンエンヤホー
  唄が出てきて エンエンヤホーと
  遠い幸せ こぎよせる

2007年09月11日

●You Raise Me Up / Celtic Woman

荒川静香選手がエキシビジョンで使った事で一躍有名になったCeltic Womanの"You Raise Me Up"ですが、オリジナルはSecret Gardenというアイルランド/ノルウェーの癒し系バンドだそうです。(実は聞いた事無いんです)。昨年ダウンタウンのステイプル・センターでの公演でプロスケーターとしての彼女の演技を見に行きました。勿論一人ではなく、何とトリノオリンピックのメダリストが勢揃いで当然金メダルの彼女が一番光っている筈なんですが、やはり米選手への拍手、声援の方が大きかったのがアメリカらしい処です。この曲はケルティック・ウーマンの最初のアルバムに入っていますが、このアルバムはビルボートで1位を獲得しています。

You Raise Me Up

When I am down and, oh my soul, so weary/心が沈んで、私の魂が疲れはてた時
When troubles come and my heart burdened be/悩んで心に重荷を背負った時
Then, I am still and wait here in the silence/私はこの静寂の中で静かに待つ
Until you come and sit awhile with me/あなたが来て暫くの間そばに座ってくれるまで

You raise me up so I can stand on mountains/あなたは私が山上に立てるよう元気づける
You raise me up to walk on stormy seas/あなたは私を荒れ狂う海の上を歩いていけるよう奮い立たせる
I am strong when I am on your shoulders/あなたに支えられて私は強くなれる
You raise me up/あなたがいれば立ち上がれる
To more than I can be/本当の私より強く


歌詞が短いのでかえって難しいです。"raise"は立ち上げる、起こす、元気付ける、奮い立たせる、という意味で私を"raise"する"You"は恋人かと思っていましたが、ネットを見るとこの"You"は神だという解釈がありました。成る程、神と考えればこの幻想的なサウンドとよりマッチする感じがします。訳が今市ですが、日本語的にもっと上手い訳が出来たら教えてください。

2007年09月09日

●ひと目逢ったその日から/桂三枝・西川きよし

伊藤アキラ作詞、小林亜星作曲で、今聞いてみると当時は良い時代だったんだなあ、という遠くを見る目になってしまいます。何といっても歌詞が秀逸です。「ひと目逢った その日から 恋の花咲く こともある」。番組冒頭の有名なフレーズはここから来ていますが続けて「たとえ咲かずに しおれても 僕の心に 美しく ああ 美しく 咲くでしょう」とは、泣かせてくれます。最後は「ああ いつまでも 待ちましょう」で終わっていますが、今の歌でしたら、この結末では許してもらえません。桂三枝はそれほどありませんが、西川きよしが真面目一本で歌いきっている処がトホホ度に貢献しています。蛇足ですが、ジャケ写左上隅にある「パンチdeデート 応募申込書つき」という斜めの帯が昭和の良い香りを醸し出しています。

トホホ度★★★
お笑い度★★
意味不明度★★

  ひと目逢った その日から
  恋の花咲く こともある 
  たとえ咲かずに しおれても
  僕の心に 美しく ああ 美しく 咲くでしょう

  昨日は見知らぬ 人でした 今日は見知らぬ 人でなく
  知れば知るほど 知りたくて 知ってしまえば青春の 
  ああ 青春の 忘れもの

  押せばあなたは 身をかわし 引けばあなたは なお逃げる
  スルリクルリと 鬼ごっこ 若い春の日 かげろうの
  ああ かげろうの 恋模様

  ひと目見たとき 好きになり ふた目見られて 嫌われる
  これが男の運命なら じっと夜明けを いつまでも
  ああ いつまでも 待ちましょう 
  ああ いつまでも 待ちましょう