2007年12月16日

●クリスマスケーキ

久しぶりの世間噺です。
師走も中場となり、世の中クリスマスムード一色です。私の職場では昼間から、勿論小音量ですがクリスマスソングが流れてます。ところで日本では今頃クリスマスケーキの売込み、予約の最盛期でしょうか?ところが迂闊にも最近気がついたんですが、こっちにはクリスマスケーキが無いんです。日系のスーパーに行けば当たり前のように日本と同じクリスマスケーキの予約販売してたんで、当然あるもんだと錯覚してました。そこで、早速WIKIPEDIAを引いて見ました。冒頭に
Christmas cake is a type of fruitcake served at Christmas time in the UK, Ireland and many Commonwealth countries.
とあります。Commonwealth(英連邦)とは主として英国が旧宗主国の国々の集まりで53ヶ国が加盟しています。米国はメンバーではありません。要するにクリスマスケーキは英連邦のフルーツケーキであると定義されている訳です。その下に各国のクリスマスケーキという欄があり、日本は
In Japan, Christmas cake, traditionally eaten on Christmas Eve, is simply a sponge cake, frosted with whipped cream, decorated with strawberries, and usually topped with Christmas chocolates or other seasonal fruit.
要するにスポンジケーキに白いクリームを塗り、苺や季節の果物で飾ってあり、上にメリークリスマスとか書いたチョコレートが載っているものがクリスマスケーキであると思ってた訳で、これは日本特有の形らしいんです。

そこで、と言う程意気込む事も無いんですが、冬休み自由研究としてその歴史を探ってみました。例によってネットで検索してみると、こんなサイトがありました。
http://www.christmasarchives.com/christmascake.html
このサイトによると、その起源はPorridge(お粥)だそうです。14、5世紀の英国ではクリスマスイブの昼間は絶食し夜Plum(乾し葡萄)を入れたお粥を食べる習慣があり、後にそのお粥に更にスパイスや乾燥果物、蜂蜜等を入れるようになりました。そして、ついにはそれを蒸してプディングにしてしまいました。
一方お粥を作るオートミールの代わりの小麦粉に卵、バターを加え、蒸してplumcakeを作るやり方もあったようで16世紀にはプディングとplumcakeが共存していました。
処で、クリスマスケーキというとクリスマスイブの日に食べるもの思い込んでましたが、当時はクリスマスの最後の日(最後の日があるとは知りませんでした)であるTwelfth night(1月5日)に盛大にご馳走と共に食べていたそうです。しかしながら宗教改革の後このようなお祭り騒ぎは清教徒により禁止され1870年ビクトリア女王がTwelfth nightを禁止しました。しかしケーキを食べる事が禁止されてしまっては菓子職人は商売上がったりです。そこで1月5日が駄目なら12月に食えば良いという解釈でこれまで同様にフルーツケーキを作り続けました。このやり方が英国で一般的に広まり、自分たちだけでなく植民地の親戚、知人にボイルしたフルーツケーキを送ったことから、この習慣が英連邦に広まったようです。米国は英連邦ではありませんが、同じく英国からケーキが送られて来たんだと思われます。じゃあ、なぜ日本のクリスマスケーキはフルーツケーキではなくスポンジケーキになったのかは、分かりません。

噺だけでは寂しいので、クリスマスソングを一曲。渡辺貞夫が92年のクリスマスに文化村オーチャードホール開いたコンサートを実況録音した"A Night With Strings"の中の"The Christmas Song"です。このクリスマス・コンサートは3年続き実況録音版はVol. 2, Vol. 3まであります。ところがVol. 2, Vol. 3は日本で買えるのですが、初回のこのアルバムはなぜか日本のカタログにありません。こちらに来てアマゾンで見つけ、やっと入手できました。この日の演奏がいかに素晴らしいものであったかは言うまでもありません。クリスマスの夜に彼女とこんなコンサートに行けた人は本当に羨ましい限りです。

という訳で、今年はこれでお仕舞いです。また来年も宜しくおねがいします。

2007年12月09日

●Christmas In Kyoto / Michael Franks

ボサノバというとブラジルが発祥の地という事もあり、どうしても夏限定の季節商品の感がありますが、マイケル・フランクスは果敢にも冬のボサノバというテーマでこのアルバム"Watching The Snow"を作りました。ジャケ写も良いですね。本来ならデッキチェアーで海を眺めている処が雪を見ているという訳です。季節が冬なのでこのアルバムにはオリジナルのクリスマスソングが2曲入っていますが京都がテーマになっているので、この曲を選びました。彼は歌詞の中に人名を読み込むのが得意ですが、今回は黒澤明です。

Christmas In Kyoto

I can't forget the time we spent Christmas in Kyoto/京都で過ごしたクリスマスが忘れられない
At that small hotel overlooking the pagoda with a thousand statues standing at attention/数千の直立不動の仏像がある五重塔を見下ろす小さなホテルで
And not one the same like in one of those films by what's-his-name Akira Kurosawa/何っつったっけ、そう黒澤明の映画の中のひとつのように、どれ一つとして同じじゃない

Who could forget the time we spent Christmas in Kyoto?/京都で過ごしたクリスマスを忘れる事が出来ない
Ornaments so fine in the silk of your kimono/君の来た着物の絹の装飾がとても素晴らしかった
Though we had no tree I feel certain you remember/クリスマスツリーは無かったけれど、君はきっと覚えているはず
How your touch sublime and your holiday spirit lit up mine/君の指の感触がとっても優雅で君の休日機嫌が僕を高揚させた

The Christmas in Kyoto The Christmas in Kyoto/京都のクリスマス
That perfect Christmas in Kyoto with you/君と一緒の完璧な京都のクリスマス

Celebrating Christmas in Kyoto/京都で祝ったクリスマス
All in telephoto/全てが望遠写真
Only you and me has convinced me it is worth believing, in giving and receiving unreservedly/僕と君だけが分け隔てなく与え、受け取る事が信じるに足る事だということを確信させてくれた

And last but sure not least/そしてもうひとつ忘れられないのは
The hotel provided sake and our Christmas feast/ホテルがくれた酒とクリスマスのご馳走
Kappa maki with wasabi/わさびの効いたかっぱ巻
Through the window we noticed snowflakes started falling/窓の外にはいつの間にか雪が降り始めた
They were right on cue cinematically falling for me and you/それはまるで映画の台本通りに君と僕のために降ったようだった

It's highly unlikely I'll soon forget that Christmas in Kyoto/僕はあの京都でのクリスマスを忘れないだろう
All up and down the chimney just Santa and you/煙突を上り下りしていたのはサンタと君だけだった

最後から7行目に"And last but sure not least"とありますが"last but not least"というのは俗語で「極東」を意味します。欧米から見れば東方向の最後だけどつまらないものぢゃない、というような意味合いで"sure"はその気持ちを強調しています。しかし、ここでは極東では無く、文字通り最後に決してつまらない事じゃないけど(忘れられないのは)と訳しています。多分マイケル・フランクスは京都ですので、極東に引っ掛けてこの句を使ったものと思われます。しかし、そこまでオーバーに言っておきながら忘れられないものはホテルがサービスしてくれたカッパ巻きというのは少々トホホ感が漂います。多分ホリディ気分を高揚させてくれる彼女と京都の五重塔を見ながら食べるカッパ巻きは文字通りクリスマスのご馳走だったのでしょう。この歌は初めて聞いた時は少々取っ付きにくい感じがしますが、2度3度と聞くと「クリスマス イン キヨト」というメロディが沁み込んで来ます。

2007年12月01日

●わてら祇園の舞妓はん/ザ・ピーナッツ

「若い仲間たち」というベタなタイトルの映画主題歌のようですが、どのような映画かは分かりません。しかし、ジャケ写お二人はとても可愛く写っており、舞妓はん姿のピーナッツを見てみたかったですね。以前、安藤孝子の歌にもありましたが、こういう女性の色っぽい語りで、しかも京都弁でやられては堪りません。ザ・ピーナッツは本来ポップス歌手ですが、こういう和風も上手いです。やはり昭和の遺産として後世に語り継がれるべき名唱と言えるでしょう。採点が難しいところですが、星は少々控え目になりました。尚、作曲は萩原哲晶です。

トホホ度★★★
お笑い度★★☆
意味不明度★★☆


  娘ごころを 鹿の子にかくし
  京の舞台は道成寺
  好いたお方も 好きだと言えぬ
  一人舞う夜の 一人舞う夜の紅扇
  うち、もう胸がジーンとしてしもうて
  舞妓はん、舞妓はん、うちら祇園の舞妓はん

  想うお方の 逢瀬の夢に
  今宵身をやく 大文字
  浮いた稼業も 芸ゆえ清い
  一人寝る夜の 一人寝る夜の乱れ髪
  うち、自分で自分が あんまりかわいそうで
  舞妓はん、舞妓はん、うちら祇園の舞妓はん

  京の祇園会 宵山ふけて
  いつか相寄る 夫婦鹿
  想い想われ ひと夜の情け
  加茂の流れに 加茂の流れにさらりと流す
  うち、兄さんより他に なにもおへんのどすえ
  舞妓はん、舞妓はん、うちら祇園の舞妓はん