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2008年06月17日

●ビッグ・バンドの終焉

6月12日の日経朝刊最終面に北野タダオ氏の「ジャズ楽団主席”卒業”」という寄稿があった。北野氏はアロージャズオーケストラというビッグバンドのバンマスであったが、高齢の為引退する由。これまでのバンド活動の想いでが綿綿と綴られている。

ところが文中聞き捨てならない一節があった。「アローはプロとして定期演奏会を続ける、おそらく国内唯一のビッグバンドだ。」ビッグバンドといえば歌謡曲番組で見た事があると思いますが舞台右側に3段の雛壇があり、上がトランペット4本、中段にトロンボーン4本、一番下が左からアルトサックス2本、テナーサックス2本、バリトンサックス1本。舞台一番左はピアノ、その右にギター、ベース、ドラムスという構成のバンドです。

デューク・エリントン楽団、カウント・ベーシー楽団等々素晴らしいバンドが幾つもありますが、日本で有名な処を思いつくまま挙げてみると、宮間利之とニューハード、原信夫とシャープス&フラッツ、高橋達也と東京ユニオン、森寿男とブルーコーツ、奥田宗弘とブルースカイ・オーケストラ、ダン池田(後に三原綱木)とニューブリード、スマイリー小原とスカイライナーズ、見砂直照と東京キューバンボーイズ等々。これらの殆どが活動を休止していると言う。

びっくりこいて調べてみるとニューハードとシャープス&フラッツは2006年迄、演奏会の記録はあるが、それ以降は無し。唯一森寿男とブルーコーツが本年8月31日の第40回サマージャズ(日比谷野音では無く日比谷公会堂)に出演予定があった。その他は既に解散。

最近は歌手が自分の小バンドで歌ったり、カラオケ或いはPCで済ませてしまうので、昔のような歌謡曲の仕事が無くなりバンドを維持する事が非常に困難になったようだ。勿論ビッグバンドは歌謡曲の伴奏だけでなく、ダンス、ジャズ或いはレコード録音の際のスタジオワーク等々をこなし、かつてはミュージックエンターテインメントの中核にあった。またインキュベータの役割も果たしており、これまで優秀な歌手やミュージシャンを多数輩出している。しかし、もし無くなれば一体これからビッグバンドのミュージシャン達はどうなる?そして何よりあの鳥肌の立つ様な煌びやかなサウンドが聞けなくなるかと思うと誠に残念としか言いようが無い。

余りにも通俗な言い方ではあるが、また一つ昭和が消えたというところであろうか。

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