2008年12月27日

●掛取萬歳/三遊亭圓生

江戸の昔は大晦日というと掛取りが江戸じゅうを朝まで駆け回ったそうで、そんな風景を読み込んだ落語が色々あります。この掛取万歳は主人公の八五郎が狂歌好きの家主、喧嘩好きの魚屋の金さん、義太夫好きの大阪屋の旦那、芝居好きの酒屋の番頭、萬歳好き三河屋の旦那にそれぞれの好きなもので追い返すという面白い趣向で、何度でも笑えます。ここではこの噺に出てくる狂歌をピックアップしてみましょう。まず

「春浮気夏は元気で秋ふさぎ冬は陰気で暮れはまごつき」
三遊亭圓生師によれば式亭三馬が
「春椿夏は榎で秋楸冬は梓で暮れは柊」
をもじった作だそうです。
「味噌漉しの底にたまりし大晦日超すに超されず超されずに超す」
"超すに超されず超されずに超す"が上手いです。どうしたって時限が来れば元旦になるんだと。
「大晦日内儀傷寒だとおどし」
"傷寒"は今で言うコレラです。
「大晦日首でも取ってくる気なり」
「大晦日首でよければやる気なり」
掛けを取る方も威勢がいいが、取られる方はもっと肝が据わってます。
「なにもかもありたけ質に置炬燵かかろう縞の布団だになし」
"置炬燵"、"縞の布団"がうまくかかってます。
「貧乏の棒も次第に長くなり振り回されぬ年の暮れかな」
貧"棒"も延びきって手におえません。
「貧乏をしても下谷の長者町上野の鐘のうなるのを聞く」
江戸っ子のやせ我慢でしょうか。
「貧乏をすれどこの家に風情あり質の流れに借金の山」
これが一番笑えました。山水だな、とは家主の弁。
「貸しはやる借りは取らるる世の中になにとて大家つれなかるらん」
家主の作です。八五郎の作に感心して、帰ってしまいました。

この話は誰の作かは分かりませんが、面白い狂歌が並んでいて楽しめます。家主の後も喧嘩、義太夫、芝居、萬歳とバラエティにとんで飽きさせません。しかし今では最後までやる人は居ないようです。

2008年12月15日

●I Saw Mommy Kissing Santa Claus / Jackson 5

アメリカは11月下旬の感謝祭が終わるともう街中クリスマスです。LAでは12月になると24時間クリスマスソングを流している局があり、前の会社ではラジカセを持ち込んで一日中オフィスでクリスマスソングを流していました。

この曲は色んな人が歌っていますが、やっぱりジャクソン5がベストでしょう。さすがにマイケル・ジャクソンはこの頃から上手いです。伴奏のアレンジは凡庸ですが、彼の歌声だけが光ってます。邦題は「ママがサンタにキスをした」です。

Wow! mommy is kissing santa claus!/ワォ!ママがサンタにキスしてる
I saw mommy kissing santa claus/僕ママがサンタにキスしてるの見たんだよ
Underneath the mistletoe last night/昨日の夜クリスマスツリーの下で
She didn't see me creep down the stairs to have a peep/ママは僕が覗き見するために階段を這って降りたのを気が付かなかったんだ
She thought that I was tucked up in my bedroom, fast asleep/ママは僕が僕の部屋で布団に包まってしっかり寝てると思ってたんだ

Then I saw mommy tickle santa claus underneath his beard so snowy white/そして僕はママがサンタの雪のように白いお髭の下をくすぐってるのを見たんだ
Oh, what a laugh it would have been if daddy had only seen mommy kissing santa claus last night/もしパパが昨日の夜にママがサンタにキスしてるの見たら、お笑いだよ

He saw mommy kissing santa claus/僕はママがサンタにキスしてるの見たんだ
I did! I really did see mommy kissing santa claus/見たんだ、本当に僕はママがサンタにキスしてるのみたんだ。
And I'm gonna tell my dad/そうだ、パパに教えてあげよう

I did! I did! I really did see mommy kissing santa claus/僕は見たんだ!見たんだ!本当にママがサンタにキスしてるのを見たんだ
You gotta believe me! you just gotta believe me!/信じてよ!本当に信じてよ!
Come on, fellas, believe me! you just gotta believe me!/さあ、みんな、信じておくれ!本当に信じておくれよ

出来るだけ可愛く訳そうと思ったんですが、なかなか難しいですね。マイケル坊やがママがサンタにキスしてるのを見たのは本当ですが、それをパパに教えてあげよう、というあたりがこの歌詞の肝ですね。今時ならママとサンタの不倫などというテーマになりかねませんが、こちらはサンタの夢を壊さない楽しいクリスマスソングに仕上がってます。8行目は主語がHeになっていますが、バックが歌っているので、僕ちゃんを彼と表現しています。しかし、最初のチューの音は派手ですねぇ。

2008年12月10日

●スケート野郎/ザ・ジャイアンツ

久々の珍盤・奇盤です。子供の頃スケートをやっていて、ありがたいことに今でもある程度は滑れます。この歌は後に「ケメ子の歌」というヒットを飛ばすザ・ジャイアンツが歌っています。将に昭和にエレキ歌謡そのものというサウンドには非常に懐かしいものを感じます。作詞は佐伯孝夫ですが、妙な歌詞ができました。まずはスケート靴の種類を羅列し、”洗いざらし”となれば普通はジーンズと続くわけですが、ここでは単に”ズボン”。そして”俺たち紳士だ 手袋してる”。これがなかせますねぇ。スケートする時は危険防止という事で必ず手袋をするように言われたものです。尚、この歌はB面でA面は永井秀和(お笑いの長井秀和ではありません)でB面とは無関係です。

トホホ度★★★★
お笑い度★★★
意味不明度★★★☆

  とってもイカスぜ
  スケートすがた
  可愛いあの娘は 僕らの仲間
  スピード フィギュア アイスホッケー
  ラララ スイ スイ スイ スイ
  ゴーゴーゴーゴー
  ヤング ヤング ヤング ヤング
  ヤング スケーター 
  俺たちゃ世界のスケート野郎

  街のリンクで よくみうあの娘
  今日は湖 まっ赤なバラが
  **くりかえし**
  雪山おろしに 炎のスピン

  洗いざらしの ズボンにセーター
  寒さしのぎにゃ 立派なものさ
  **くりかえし**
  俺たちゃ紳士だ手袋してる

  だてにははかない スケート靴だ
  男らしいと 見直したろが
  **くりかえし**
  世界の娘さん さらって滑る