2009年7月31日

●Once Upon A Summer Time / Astrud Gilberto

ミッシェル・ルグランが作曲したシャンソンにジョニー・マーサーが歌詞を付けています。マイルス・ディビスとのコラボで手腕を発揮したギル・エバンスがアレンジとオーケストラの指揮を執っており、歌いっ放しのアストラッド・ジルベルトと妙な雰囲気を醸し出すバックとのアンバランスがこの歌の魅力でしょうか?まるで今年の日本の夏を思わせる不思議な仕上がりです。この歌には「おもいでの夏」というベタな邦題が付いています。

Once Upon A Summer Time

Once upon a summertime, if you recall/あなたは覚えてますか、あの夏の日のこと
We stopped beside a little flower store/私たち小さな花屋さんに立ち寄って
A bunch of bright forget-me-nots was all I'd let you buy me/眩いばかりの勿忘草の花束をあなたに買ってもらいました

Once upon a summertime just like today/あれはちょうど今日みたいな夏の日でした
We laughed the happy afternoon away/私たちは笑いながら幸せな午後を過ごし
And stole a kiss in every street cafe/どこのカフェでも、こっそりと口づけを交わした

You were sweeter than the blossom on the tree/あなたは木に咲く花よりも甘く
I was as proud as any girl could be/私はどんな少女よりも誇らしく思いました
As if the mayor had offered me the key, the key to Paris/まるで市長からパリの鍵を貰ったかのように

Now another wintertime has come and gone the pigeons feeding in the square have flown/冬が来ては過ぎ、広場で餌をついばむ鳩が飛び去っても
But I remember when the vespers chimed/夕暮れの鐘が響き渡ると思い出す
You loved me once upon a summertime/あなたが愛してくれた、あの遠い夏の日を

パリの花屋で忘れな草を買ってもらい、カフェでデートしたあの夏の日が忘れられないという分かり易い歌詞です。2行目の"flower store"は花屋の意味ですが、正しくは"flower shop"です。

2009年7月18日

●My Favorite Things(わがすぎだもの)/伊藤君子

ジャズを津軽弁で歌うというトンデモな発想は伊藤君子本人の発案のようです。なんでも津軽弁の温かい響きに惹かれたとか。映画サウンドオブミュージックの挿入歌であったMy Favorite Thingsはジョン・コルトレーンが取り上げて、すっかりジャズのスタンダード・ナンバーになってしまいましたが、伊藤君子はこれを津軽弁に翻訳、翻案し、見事に津軽弁で歌いこなしています。彼女は小豆島出身ですが、ネイティブ津軽弁スピーカーからもその発音の素晴らしさが絶賛されたそうです。途中の英語歌詞の部分も津軽訛で歌ったら脱帽ものでした、惜しい処です。今後の新たな展開を期待したいものです。尚、歌詞は読んでも意味不明の部分があり、意味不明度高得点です。

トホホ度★★★★
お笑い度★★
意味不明度★★★★☆


 My Favorite Things(わのすぎなもの)

 バラにたもすがる 雨コの雫 
 ちゃべのひげこど ぎがぎがの星コ
 ぬぐだまる(温)てきゃしど 茶色の 袋コ みんなわ(私)の大好き゛だもの

 めんごい馬コど 林檎の菓子コ 橇の鈴コど カツレツとスパゲチ
 まんどろな月コさ 飛も渡り鳥  これもわ(私)の大好き゛だもの

 青いはんちゃの めんごいあだコ 睫毛サど鼻っこに ねばるゆぎ(雪)コ
 春に融け゛てく 銀色の冬コ あれもこれも 皆大好き゛だあ

 犬コに囓られたり 蜂コに刺されたり
 もうまいねど思っても 好き゛だもの思いだへば
 なんも けねえんだね!

2009年7月12日

●お婆さん三代記/古今亭今輔

落語の演目には大きく分けて、江戸時代から伝わる古典と現代になって作られた新作があります。一般的に落語の名人上手と言われる人は古典中心にやる人が多く、新作は何となく軽んじられて見られる傾向がありますが、古典と違い、現代の生活に即したネタが多く、予備知識なしでも楽しめます。五代目古今亭今輔は終始一貫新作で通した人で特にそのお婆さんネタが有名でした。兎角、落語家は歳をとって大看板ともなると、えー、とか、うー、とかいう間が良いとか、ワビサビがどうのという様な事を言われますが、今輔はそんな事は全く眼中にありません。このネタは未だ江戸の風が吹いていた明治の時代に婆さんが娘に小言を言うんですが、そのうち疲れて寝ちゃったりします。その小言を言われた娘がお婆さんになって、昭和の時代の娘にまた小言を言うというそれだけのネタですが、今輔は最初から最後まで全開フルスピードで飛ばしています。この音は昭和48年録音ですが、この時点で今輔は75歳。大したもんです。

2009年7月 7日

●レスラー/竹中直人

マイケル・ジャクソンの急死はいまだに世界中で物議を醸していますが、日本では既に竹中直人氏がこのような素晴らしいジャケットを作ってました。ジャケットが非常に良くできているだけに彼の歌が期待されるところです。だがしかし、途中に物まねを入れて芸達者ぶりを発揮し、色々とサービスしてくれていますが、残念ながら今市と言わざるを得ない出来となってしまいました。これなら替え歌にした方が良かったかもしれません。

トホホ度★★★★
お笑い度★★
意味不明度★★★★


 乾いた満月の夜は
 苦しい唸りを上げて
 たちまち狼に変身る
 身の丈二間半
 顔中継接ぎだらけ
 ニタリと牙剥いて
 気娘くらいつけば
 ゴクリと生血を飲む
 それがレスラー レスラー
 いまじゃなれのはてさ
 昔レスラー レスラー
 King of the midnight wrestler

 We love him yet
 We love him strong
 The Wrestler come back to ring

 湿った犯罪気配
 知らずに微笑みたたえ
 過去のことなど忘れて
 今夜も猟奇事件
 男の恐怖の顔にゾクゾク毛穴開き
 女の叫び声に
 ザワザワ血が騒ぐ
 俺はレスラー レスラー
 King of the midnight wrestler
 俺はレスラー レスラー
 King of the midnight wrestler

 レスラー レスラー
 King of the midnight wrestler
 俺はレスラー レスラー
 King of the midnight wrestler